誰でも気軽に開業できることから、個人事業の形態でスタートするケースが多くみられます。
 参考までに個人事業で開業した場合の長所と短所についてご紹介します。

1.個人事業のメリット

①開業の手続きが簡単にできる。
②開業するときの費用が安くすむ。
③事業内容を変更したり、廃業するときも手続き上、比較的簡単にできる。
④簡易帳簿による記帳が認められているため、経理処理が比較的簡単である。
⑤複式簿記で経理を行えば、最大65万円の青色申告特別控除が受けられる。
⑥所得が赤字なら税金がかからない。
⑦会計ソフトを使えば、専門家に頼まなくても自分で確定申告ができる。
⑧総会や役員会などがないため、組織運営が簡単である。
⑨株式会社のように決算公告の義務がない。
 

2.個人事業のデメリット

①取引先によっては契約してもらえない場合がある。
②事業内容によっては許認可を受けられない場合がある。
③社会的信用性が低いため、優秀な人材を確保しにくい。
④事業承継や相続対策が検討しにくい。
⑤事業とプライベートの区別がつきにくい。
⑥累進課税のため、所得が増えれば税金が多くなる。
⑦個人事業主は社会保険に加入できない。
⑧経費として認められる対象が狭い(節税方法が少ない) 。
⑨株式会社に比べて、資金調達の手段が限られる。

3.法人成りのメリット・デメリット

◆軌道に乗ったら一度は考える法人成り
 個人事業者が法人を設立することを「法人成り」と呼びますが、個人事業が軌道に乗ってくれば、一度は考えるのではないかと思います。
 なぜ、考えるのかというと、法人成りにはメリットもデメリットもあるからです。

◆一般的なメリット
①給与所得控除が使える:法人成りをして会社から給与を受け取るようにすれば、経営者自身の所得税で給与所得控除が使え、節税になります。
②消費税が最大2年間免除される:資本金が1,000万円未満の法人は、2期にわたって消費税が免税となります(但し特定期間の課税売上や、特定新設法人の規定により免除にならない場合がありますので留意してください)。
③決算期が自由に設定できる:個人事業者の場合は12月決算の3月15日申告と時期が固定されていますが、法人は決算期が自由に設定できます。
④繰越欠損金の繰越控除の年数が増える:個人は3年ですが、法人の場合は10年(平成30年4月1日以後に開始する事業年度の場合)になります。

◆一般的なデメリット
①法人設立の手間と費用:定款を定めて、登記をしなければならず、定款認証手数料や登録免許税が必要となります。
②社会保険の加入:個人事業では4人までの雇用であれば社会保険の加入義務はありませんが、法人成りすると1人でも社会保険への加入が義務付けられます。
③赤字でも約8万円の法人住民税がかかる:均等割と呼ばれる部分で、赤字だったとしても税金が取られます。

◆あまり数字には出てこない「対外的な信用」
 対外的な信用はどうしても個人事業よりも法人の方があるものです。融資や取引で見劣りしないように法人成りをする、というのも立派な理由です。
 色々な視点から法人成りをするかしないかを判断した方が良いでしょう。